指宿市 ユーファーム株式会社・木の匙 浦野敦さん、良美さん

2021.11.11

指宿市
有機野菜の生産・販売を行う「ユーファーム株式会社」
一棟貸しの宿「木の匙」を経営
浦野敦さん、良美さん


 

Q.鹿児島県に移住した経緯(きっかけ)を教えてください

敦さん:元々は東京や大阪でサラリーマンをやっていましたが、都会での生活に少し疲れてしまい、母親の故郷である指宿市開聞川尻への移住を考えるようになりました。僕自身は東京で育ちましたが、母の里帰り出産で生まれは指宿市なんです。小学生の時には夏休みを祖父の家で過ごし、虫取りをしたり近くの海で泳いだりと、楽しい思い出がある場所でした。

良美さん:私は広島県出身で、社会人になってからは東京で過ごしました。夫から移住したいと聞いた時は、特に反対はしなかったです。前に引っ越したいという話を聞いていたことと、彼の仕事の大変さも近くで感じていたので。あとは自分も同じことの繰り返しに飽きていたので、違う場所に行ってみるのも良いかな、と思っていました。

 

Q.移住にあたっての不安はありませんでしたか?

良美さん:中途半端な都会に住むぐらいだったら、ど田舎に住んだ方が絶対楽しいと思っていました。開聞川尻でよかったな、と。

敦さん:大きな不安は特になかったですけど、母や開聞川尻で暮らす祖父からの反対はきつかったですね。「せっかく勤めている会社があるのに何を考えているの?」「どうしてこんな田舎に引っ越すの?」と最初は理解してもらえなかったです。

Q.移り住んでの感想、まちの印象、魅力は?

良美さん:移住する前に結婚の挨拶で足を運んだことがあって、開聞川尻が田舎で景色が良い場所というのは知っていました。実際に移り住んでからも、やっぱり良い場所だなと感じています。
買い物に関してはネットがあるので、特に不便はしていないです。東京にいる時は、都会の生活に合わせようと化粧品や洋服をはじめ、買わないといけないものが多かった。だけどこっちにいると、必要なものが減ってシンプルな暮らしになりました。都会に住んでいた頃と比べて頓着しない部分が増えて、許容できる範囲が広がったような気がします。

敦さん:子どもの頃から開聞川尻の風景を見て「ここは絶対すごい観光地になる」と思っていました。他所から足を運んだ人は、ここでぼ〜っとするだけでも癒しになるんだろうなって。僕自身、この眺めがとても好きです。
今もそうですけど、ここは港町でもあるので集落の道がすごく細いんです。小道がいっぱいあって、その1つ1つに表情があって、それもすごく良いなと思います。

 

Q.地元に溶け込むコツは?

良美さん:移住してすぐの頃、畑で作業をしていると近くのおばあちゃんが心配してアイスをくれたり、道具を貸してくれたり。時には作業を手伝ってくれたこともあって、そういった交流の中で少しずつ繋がりができていきました。あとは空き家再生活動や催し事を行う「川尻元気プロジェクト」に夫が参加してくれているおかげで、何かあった時に助けてくれたり、頼れる人もできました。そういった方と繋がれたおかげで、今こうして暮らせているので、とっても大きな存在です。本当に感謝しています。

時には悲しい気持ちになってしまうこともあるんですけど、私たちの考えもお伝えするようにしていて、それも地域の方々とのコミュニケーションになっているのかもしれません。

Q.お気に入りの場所や風景はありますか?

良美さん:木の匙で、ぼ〜っとするのが好きですね。あとは近くにある「開聞山麓香料園」も好きです。香料園を営んでいる宮崎さん親子と、ハーブを見ながらお話しするのが良い息抜きになっています。あの商売っ気が全くない感じも、一緒にいて心地が良いです。

敦さん:僕も木の匙で癒されているかもしれないですね。宿泊のお客さんを10時ぐらいに見送って、ゴミを捨てたり片付けをしてたら、いつの間にか11時ぐらいに。それぐらいの時間の光の感じが結構良くて、妻とコーヒーを飲みながら「木の匙ってやっぱり気持ち良いな」と思っています。
他所から友人やお客さんが来た時は、かみさんも気に入っている開聞山麓香料園に連れて行ったり、玉手箱温泉や砂蒸し温泉も案内します。秘境の温泉が好きな人は、うなぎ温泉も良いですよね。他にも頴娃町のタツノオトシゴハウスや、興味がある人には、知覧の特攻平和会館もおすすめしています。

 

Q.現在のお仕事とこれからの目標(夢)を教えてください

敦さん:移住後は夫婦で「ユーファーム株式会社」を起業し、有機野菜の生産・販売を行っています。2020年8月には有機農家が経営する宿として、一棟貸しの「木の匙」をオープンしました。
農業に関しては独立して6年目を迎えたところで、今後もいまの状態で続けていきたいと思っています。畑の面積はちょこっとは増やしても良いけど、2倍にしたりとかは考えていません。それよりは、宿の木の匙を充実させたい。今は時勢もあって県内をはじめ、九州圏のお客さんが多いですが、もう少し落ち着いたら関東や首都圏の方々にも足を運んでもらいたいですね。

良美さん:せっかく木の匙が建ったので何かイベント事をやりたいですね。夫婦2人とも落語が好きで、よく聞きに行っていたので、木の匙で小さく寄席とかができたら嬉しいです。農業に関しては、もうちょっと上手になりたい。種まきの時期を見極められたり、畑をきれいに仕立てられたり。昔の作業スピードに比べるとものすごく速くなってはいるんですけど、もうちょっと手際良くできるようになりたいです。

 

Q.移住を考えている⼈へメッセージをお願いします。

敦さん:都会で住んでいた頃の半分どころじゃないくらい年収が減るので、最初はすごく不安になると思います。だけど、あまり考えないで移住しちゃった方がいいのかな、とも思いますね。やっぱり、実行力の方が大事なような気がしていて。
最悪それで合わなかったら元々住んでいたところに帰ればいいし、まずは動いた方が良い。最悪帰ったとしても「そこに住もうと思って頑張ったからいいんじゃない?」と思うので、まずは行動を起こしてみることが重要だと思います。

良美さん:きっと移住したら行った先で、その家族や夫婦それぞれの物語が必ずあって、田舎だから何もないっていうことは絶対にないと思います。どこに行っても楽しいことは見つけられるはず。行った先で必ず成功しなきゃいけないとか、私たちみたいに宿や事業を始めないといけないとか、そういうことは絶対にない。だからまずは仕事とか、新しく出会う人とかを楽しみに移住してみるのもいいのでは、と思います。移住をしたらお終い。というわけではなくて、都会に遊びに行っても良いわけだし、駄目なら帰っても良いんですよ。

(取材:2021年10月)


●移住を応援する指宿市のサポート制度は・・・
指宿市移住定住支援サイト「いぶすき暮らし」

ページトップへ