南九州市 – 加藤 潤さん
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学生時代、1年間休学して地方に行きたいと考えていたときに、「緑のふるさと協力隊」(主催:特定非営利活動法人 地球緑化センター)」の存在を知りました。1年間、一つの農山村地域に隊員を1人派遣し、その土地の暮らしを体験するというプログラムです。これに応募したら、肝付町岸良地区への派遣になりました。
1年間、一軒家の空き家に暮らしながら、農業や地域の行事、観光イベントに加勢したり参加したり、地域の出来事をまとめた新聞を書いてみたり…。地域でただ日々を暮らすおばあちゃんや、仕事も地域のことにも一生懸命な人たちと一緒にいたら、その一員に私もなりたいと思えてきました。
任期を終えた後、大学に復学して就活がはじまりました。はじめは都市部から地方に貢献できるような仕事を探していましたが、考えていくうちにやっぱり、地域の中で、地域のみなさんと一緒に何かしたいと思い、肝付町の地域おこし協力隊に応募しました。
「緑のふるさと協力隊」ではじめて岸良に着任したときも、「海も山も空も近くて景色がとてもきれい。来たかった田舎がここにあった!」と思いました。その1年間で、地域の皆さんや役場の人と顔見知り以上になっていたので、「地域おこし協力隊」で着任するときは安心感がありました。
「緑のふるさと協力隊」のときは、よそから来た若者は岸良にほぼ私だけでしたが、「地域おこし協力隊」のときは協力隊の同期やほかの移住家族がいて、心強く思いました。
「人」:てげてげで、仕事をしていても笑いが絶えなくて、仕事も大変なのに地域のことにも一生懸命な人が多くて、少子高齢化で地域の状況が厳しくても笑い飛ばすパワフルさがあって、尊敬できる人がたくさんいます。かしこまらない自然体な感じが居心地いいです。
「景色」:いくつも連なる山のグラデーションや、海と空の色が毎日違うことに、日々感動しています。
「おすそわけ」:畑でとれた食材、海でとってきた食材。まるごといただいたり、料理になっているものをいただいたりしますが、どれも本当においしい。私もお返しを考えるのが楽しいです。
写真を撮るようになりました。日々の景色や、みなさんの笑顔が素敵すぎて。
車移動とデスクワークばかりで、運動不足なこと。
「生鮮品を扱う商店やスーパー、コンビニは、自宅から山を越えた先、車で20分ほどかかるエリアにしかないのは不便でしょ?」と言われますが、ドライブがてら景色を楽しみながら行けるので苦ではない。
岸良の海、砂浜。
田んぼと山々。
肝付町観光協会での仕事と、地域で担わせていただいている役割を両立していくこと。
大きな夢はないけれど、今までどおり、岸良に居心地の良さと居場所があればうれしい。
地域活動を担っている人たちは60~70代が多いので、その人たちが元気でいてくれること、その人たちの役割を補うような何かを考えないといけないとは考えている。
よく「移住先を決めるときは、いくつか見てまわった方がいい」というそうですが、私は一発で決まりました。住まいや仕事、子育て、医療など、いろいろな観点から慎重に検討することも大事だと思いますが、最後はインスピレーションなのかもしれないと思ってます。
皆さんが、自分にマッチする地域と出会えますように。