
[関係者全員をハッピーにしたい。おせっかい心で地域をコーディネート] 阿久根市 石川秀和さん
- #Iターン
- #まちづくり
- #地域おこし協力隊
- #自営業
鹿児島県志布志市出身の紗耶華さんと、滋賀県守山市出身の雄馬さん。出会いは大学時代に過ごしていた神奈川県。交際当初、紗耶華さんが鹿児島に帰る前提であることを宣言し、二人で鹿児島移住を視野に入れながら交際を始め、そして結婚。2024年に鹿児島へ移住し、現在は家を建てるべく、県内の穏やかに過ごせる場所を探し中。2025年に奄美大島でウェディングフォトを撮影。
雄馬さん:
僕は滋賀県の出身で、彼女とは神奈川で出会い結婚しました。仕事はお互い東京へ通っていて、彼女は看護師、僕は人材系の会社に勤務していました。
紗耶華さん:
私が鹿児島出身で、将来のことを長い目でみたとき、いずれは両親のそばにいてあげたいという強い気持ちがありました。
25歳までは、鹿児島に帰りたいなんて気持ちはなかったのですが、年を重ねるにつれて両親の大切さを改めて感じ、親孝行という形であるかわかりませんが、いつか鹿児島に帰ろうと決めていました。彼と付き合いたてのときに“鹿児島に帰る前提”であることを伝えたら了承してくれて、今に至ります。
雄馬さん:
九州に行ったことはありましたが、鹿児島には行ったことがありませんでした。彼女とお付き合いを始めてから、彼女の実家への挨拶なども含めて5回くらい行きました。
鹿児島中央駅に降り立った時、「ここが都会だよ」と言われましたが、想像していたよりも田舎だなという印象でした(笑)
雄馬さん:
最初に感じたのは仕事への不安でした。
東京の仕事を鹿児島で続けることはできないと思っていたので、いざ転職するとなったときに鹿児島で仕事があるのかというところは気がかりでした。
雄馬さん:
人材系の会社で働いているのですが、会社の鹿児島支店に異動するという、転勤のようなかたちで会社に調整してもらいました。彼女は移住に伴って転職して看護師を続けています。
紗耶華さん:
車に乗って景色が綺麗なところに行ったり、美味しいご飯を食べに行ったりと、いろいろなところに行けるのがすごく楽しいです。
9年くらい東京で生活していて、人の多い生活や、満員電車の通勤には慣れていたのですが、鹿児島に帰ると車での移動が多くなりました。
まずは運転の技術が必要だと思って、移住当初は旦那と一緒にドライブがてら運転の練習をしていました。
私が土日にお休みをいただいているので、基本的に二人でお出かけすることが多いです。
彼はラーメンが好きで、ラーメン巡りみたいな感じでいろいろなお店に連れていってくれます。
雄馬さん:
鹿児島はラーメン屋が多いですよね。そしてどこへ行ってもラーメンが美味しい!
お気に入りはご夫婦でやられている油そば屋さんですね!
紗耶華さん:
美味しいよね!その油そば屋さんでは、最後にちょっとごはんをもらえるところも嬉しいポイントです。
雄馬さん:
指宿市の唐船峡(そうめん流し)です!今年はもうすでに6、7回行きました。冬でも行きます(笑)
県外出身者からすると、そうめんが回っているのは新鮮でしたね。竹で流すいわゆる“流しそうめん”を想像していたんですが、そうめんがぐるぐる回っていて、「これが“そうめん流し”か!」と思いました(笑)
唐船峡は自然の中で食べられるのがいいですよね。
紗耶華さん:
周りには木がたくさん生えていて、すぐ横には小川が流れていて、水の音がするあの雰囲気が好きなんです。そうめんを食べるのが目的というより、雰囲気を味わうために行っているようなものです。
紗耶華さん:
付き合っているときですが、鹿児島の甘口醤油を出したら彼から「甘くない?」と言われました。関西のお醤油は辛い(しょっぱい)から、鹿児島の味にびっくりしたのだと思います。私は故郷を思い出すので甘口醤油が身体に馴染みます(笑)
雄馬さん:
鹿児島の甘口醤油にも今は慣れました(笑)
鹿児島はどこへ行っても食事がおいしいですよね!
驚いた文化といえば、路面電車が車と同じように道路の中を走っているのに驚きました。あとは、やっぱり火山灰ですかね。もともとは2週間に1回くらい洗車をしていたのですが、もう洗ってもキリがないなと思って洗わなくなりました(笑)
紗耶華さん:
それから、鹿児島の人はみなさん優しいですね。東京では人の目をあまり気にしない生活で、それに慣れてしまって挨拶をする習慣もそんなになかったのですが、鹿児島に帰ってくると、通りすがりのおじいちゃん、おばあちゃんも挨拶をしてくれるというのは結構うれしいです。
子どもたちもすごく元気よく挨拶をしてくれるのでびっくりしました!都会じゃ考えられないです。子どもたちがすごくかわいく見えます(笑)
紗耶華さん:
せっかく彼と鹿児島に一緒に来たので、自然が豊かなところに家を建てて、子どもができたらゆっくり楽しい家庭をつくりたいなと思っています。
雄馬さん:
彼女の実家が志布志市なので、志布志市や鹿児島市内、鹿児島空港もちょうどいい距離感にある、姶良市か霧島市に家を建てたいな思っています。でも、どこに建てるのかはまだ探し中です。
家を建ててある程度お金が貯まったら、僕は独立したいと思っています。そして、最終的には二人で何かできたらいいねと話をしています。
雄馬さん:
僕の滋賀の親友がウエディング関係の事業をしていて、たまたま奄美大島に滞在中だったことから、「せっかくだし撮影しよう!」という流れになり、フォトウエディングをお願いしました。当日は大雨で海辺の撮影は叶いませんでしたが、それでも素敵な写真をたくさん撮ってもらえました。
鹿児島には「島津雨」という言葉があり、雨は縁起の良い前触れとされています。今回の雨も、きっと新しい幸せを運んでくれるサイン。そう思うと、とても思い出深い撮影になりました。
雄馬さん:
移住をしたことで仕事のストレスがずいぶん減りました。東京では、休みの日に外に出ても、ビル群や働く人々の姿が視界に入り、どうしても仕事を意識してしまって、心から休まることが少なかったように思います。
一方で、鹿児島では休日にドライブをしたり、美味しいご飯を食べに行ったりと、自然に気持ちを切り替えられ、リフレッシュできます。
職場では周りの方々が優しく、お互いに支え合いながら仕事を進める雰囲気があり、とても働きやすいです。地域柄、人と人との距離が近いので、そういった環境がいいなと思う方にとって鹿児島での暮らしはぴったりだと思います。
紗耶華さん:
東京では、仕事帰りの満員電車や夜道の不安など、小さなストレスが積み重なっていました。鹿児島に来てからはそうした負担がなく、日々の暮らしに安心感を持てています。自然が豊かで、人の温かさにふれる場面も多く、親が近くにいることも大きな安心につながっています。
また、土地を探しやすく、マイホームの夢をもてることも魅力の一つです。子育ての環境も整っていて、ごはんもおいしい。女性は子育てで心身が揺らぐこともありますが、周りのサポートを受けやすく、落ち着いた環境で暮らしたい、そんな方に“鹿児島に帰る”という選択肢をおすすめしたいです。
山梨県甲府市出身。2016年いちき串木野市の地域おこし協力隊をきっかけに移住。鹿児島を選んだ理由は「焼酎が好きだったから」。移住定住支援員というミッションの下、いちき串木野市を伝えるフリーマガジン『ALUHI(あるひ) 』を発行。協力隊任期終了後も、企画・編集など活動している。2021年〈まちとひとを伝えるもっとも最寄りな場所へ〉の想いを込めたカフェ「momoyori」を鹿児島市にオープン。県内2拠点生活中。