移住相談
お問い合わせ

メルマガ登録

メルマガ登録

【「緑があるっていいな」その想いを指宿で】大吉開也さん/2026年指宿市にUターン

  • #Uターン
  • #農業
  1. ホーム
  2. 移住者の声
  3. 【「緑があるっていいな」その想いを指宿で】大吉開也さん/2026年指宿市にUターン

東京で暮らしていた頃、植物に囲まれた職場で働きながら、大吉開也さんは「緑があるっていいな」と改めて感じていたという。

指宿市出身の大吉さんは、大学進学を機に上京。卒業後は東京の植物館で3年ほど勤務した。その後、コロナ禍をきっかけに将来を見つめ直し、2026年1月にふるさと・指宿へUターン。

戻ってきた時点では、研修先も仕事も決まっていなかった。それでも人とのご縁に導かれるように、観葉植物生産農家で研修生として働くことに。現在は2年後の独立を目指しながら、観葉植物と向き合う日々を送っている。

受け入れ先の〈有限会社 鎌ヶ迫園芸場〉取締役・鎌ヶ迫さんもまた、家業を継ぐためにUターンした一人。観葉植物の生産地として知られる指宿の風景や、研修生としての暮らし、そしてこれから描く未来について、お話を伺った。

東京での3年間、そして「ご縁に恵まれた」Uターン

Q. 指宿に戻ってこられるまでの経緯を教えてください。

A.(大吉さん) 大学進学を機に東京へ出ました。当時はテレビやラジオなど、メディアに関わる仕事ができたらいいなと思っていたんです。

ただ、大学生活の途中でコロナ禍になって、将来について改めて考えるようになりました。ちょうどその頃、夏休みの帰省中に知り合いの観葉植物農家を手伝う機会があって。実家は野菜農家ですが、観葉植物にはまた違った魅力があるなと感じるようになりました。

卒業後は東京の植物館で3年ほど勤務しました。植物に囲まれた環境で働く中で、「緑があるっていいな」と改めて実感したんです。その経験を通して、将来は観葉植物に関わる仕事がしたいという気持ちが少しずつ固まっていきました。

指宿に戻ってきたのは2026年1月です。ただ、実は帰ってきた時点では研修先も決まっていませんでした。「とりあえず今年中には帰ろう」と決めていたくらいで、本当に何もない状態だったんです。

そんな中、ご縁がつながって今の研修先を紹介していただきました。振り返ると、人とのご縁に恵まれてここまで来られたなと感じています。

A.(鎌ヶ迫さん) 昨年12月頃、大吉さんのお母さんから「息子が観葉植物をやりたいと言っているので、研修させてもらえませんか」と相談を受けたのが始まりでした。

最初はアルバイトのような形で来てもらい、その後、新規就農者向けの制度を活用して研修生として受け入れる流れになりました。大吉さんのお母さんが制度について情報を持ってきてくれて、県や市とも相談しながら準備を進めることができました。

新しく農業を始めたいという若い人がいるのは、産地としても本当にありがたいことです。まずは現場で経験を積みながら、自分なりのやり方を見つけていってもらえたらと思っています。

「観葉植物で人を楽しませる」――仕事への向き合い方

Q. 実家も農業をされている中で、なぜ観葉植物の道を選ばれたのでしょうか。

A.(大吉さん) 実家は野菜農家なので、農業自体は昔から身近な存在でした。でも、自分がやりたいと思ったのは観葉植物だったんです。

きっかけは、帰省中に観葉植物農家を手伝わせてもらったことでした。植物を育てる仕事という点では共通していますが、観葉植物は暮らしの中で楽しんでもらうための植物です。野菜とはまた違った魅力があるなと感じました。

東京の植物館で働いていた時も、来館者の方が植物を見て楽しそうにしている姿をたくさん見てきました。そういう経験もあって、自分は「人を楽しませる植物」に関わる仕事がしたいと思うようになったんです。

観葉植物は品種も多くて奥が深いですし、育て方によって表情も変わります。まだまだ勉強中ですが、知れば知るほど面白い世界だなと感じています。

A.(鎌ヶ迫さん) 観葉植物は野菜と違って、生活を豊かにしたり、空間を彩ったりする存在です。だからこそ、生産者自身も植物が好きであることが大事だと思っています。

大吉さんは植物そのものへの興味が強くて、分からないことも積極的に聞いてくれます。観葉植物は覚えることも多いですが、そういう姿勢は大切だと思いますね。

相談できる人がいた安心感

Q. Uターンや新規就農にあたって、行政の制度やサポートはどのように活用されましたか?

A.(大吉さん) 最初は本当に何も知らない状態だったんですが、「鹿児島にUターンしたいな」と、中学・高校の同級生で先にUターンをして鹿児島で暮らしている友達に連絡しました。

そこから鹿児島県の移住コンシェルジュ(お試し移住)を紹介してもらい、指宿市のサポーターの方にも会わせてもらって、一緒に市役所に行ってもらったりもしました。何も分からない状態から、相談できる窓口があったのは本当に助かりました。

新規就農者の制度については、たまたま県の農政担当部署に母の知人がいて、制度のことや申請手順を教えてもらえたんです。そこから県や市の方にもいろいろ手伝っていただいて、申請にこぎつけました。研修の出口としては、独立することが一つの条件になっています。研修期間は2年間で、その間は補助を受けながら研修を続けられますが、2年を過ぎると補助はなくなります。その後、研修先で働き続けるか、自分で独立するかは自由に選べる、という形です。

【MEMO】就農準備資金・経営開始資金(新規就農者育成総合対策)
49歳以下で新規就農を目指す人を対象とした、国の支援制度です。研修期間中は「就農準備資金」、独立・経営開始後は「経営開始資金」として、それぞれ年間165万円(月額13.75万円)が、最長2年間(研修期間中)・3年間(独立後)にわたって交付されます。一定期間・時間の研修受講や、独立後の経営計画などの要件を満たす必要があり、窓口は市町村です。

独立を目指して学ぶ2年間――観葉植物の基礎を学ぶ

Q. 現在はどのようなことを学ばれているのですか?

A.(大吉さん) 今は研修生として、観葉植物の栽培や管理について一から学んでいます。

水やり一つ取っても、植物の種類や季節によってやり方が違いますし、温度管理や病害虫対策など、覚えることは本当にたくさんあります。これをやれば大丈夫、という正解がないので、その都度植物の状態を見ながら判断する難しさがあります。

観葉植物は見た目がきれいなだけではなく、商品として安定して育てる技術も必要になります。まずはしっかり経験を積んで、自分で判断できることを増やしていきたいと思っています。

研修期間を終えた2年後は独立就農を目指していますが、今は焦らずに基礎を身につけることを大切にしています。

A.(鎌ヶ迫さん) 観葉植物は種類も多く、それぞれ管理方法も違います。まずは植物をよく観察して、状態を見極められるようになることが大切です。

独立すると自分で判断しなければならない場面が増えるので、研修期間中にできるだけ多くの経験を積んでもらえたらと思っています。

生産地全体で若手を育てる

Q. 観葉植物産地としての指宿の魅力を教えてください。

A.(鎌ヶ迫さん) うちは社員が1人、パートやアルバイトの方が10人ほど働いています。コロナ禍の頃は観葉植物の需要が高まり、人手不足が課題になっていました。

その頃からJAの農業アルバイトサービス「デイワーク」を活用していて、1日だけの仕事で来てくれた方が、そのまま長く働いてくれるケースもありました。

研修では水やりや草取り、出荷作業など、その時々の仕事を一緒に経験しながら覚えてもらっています。観葉植物の産地としては若い担い手も少しずつ増えていて、生産者同士のつながりも強いです。困った時はすぐに相談できる環境があるので、独立後も一人で抱え込むことは少ないと思います。

Q. 観葉植物づくりの面白さはどんなところですか?

A.(大吉さん) 最近は、ゴムの木などをS字に仕立てる作業にも挑戦しているんですが、これがなかなか難しくて(笑)。S字にしたいのに、気づくと数字の「5」みたいな形になってしまうこともあります。

A.(鎌ヶ迫さん) S字づくりは、支柱を立てたり、少しずつ引っ張ったりしながら形を整えていくんですが、慣れていないとどうしても個性が出るんです(笑)。

観葉植物は、ただ育てればいいというものではなく、見た目の美しさも商品価値の一つです。お客さんから「曲がったものが欲しい」という注文をいただくこともありますし、その形によって評価が変わることもあります。

決まった正解があるわけではありませんが、その日の植物の状態を見ながら判断していく必要があります。難しい仕事ですが、その分奥深さもありますね。

「指宿ならでは」の風景――庭に根付く観葉植物

Q. 指宿に戻ってきて、改めて気づいた地域の魅力はありますか?

A.(大吉さん) 植物に関して言うと、指宿ならではだなと思う景色があります。

東京では室内で育てるような観葉植物が、指宿では普通に地面に植えられているんです。昔から観葉植物の生産が盛んな地域だからか、地域のおばあちゃんの家の庭にも大きな観葉植物が育っていたりして。「これ、観葉植物だよな」と思うような植物が、当たり前のように暮らしの中にあるんですよね。

一度外に出たからこそ気づいたことですが、そういう風景は指宿ならではだと思います。

車で走っていても、「あれ、すごいな」と思うことがよくあります。南洋杉のような大きな木が庭先に立っていたり、観葉植物が生け垣のようになっていたり。地元にいた頃は当たり前だった景色も、今は少し特別に見えるようになりました。

ご飯と温泉――指宿暮らしの楽しみ

Q. 仕事以外で、指宿に戻ってきて良かったと感じることはありますか?

A.(大吉さん) やっぱりご飯がおいしいですね。

魚も新鮮ですし、地元の食材が身近にあるのはありがたいなと思います。東京にいた頃は、おいしいものを食べるということに少し特別な感じがありましたが、こちらでは普段の食事がおいしいんです。

あと、温泉が近いのも指宿ならではだと思います。気軽に行ける距離に温泉があるので、疲れた時にふらっと立ち寄ることもあります。

東京にいる時は、それが当たり前ではなかったので、今はこういう環境の豊かさを改めて感じています。

A.(鎌ヶ迫さん) 指宿は温泉もありますし、海も山も近いですからね。暮らしの中に自然があるのは大きいと思います。

働く場所としてだけでなく、生活する場所としても恵まれている地域だと思います。

指宿にある山下水産のお刺身

「久しぶり」が増えていく

Q. 指宿に戻ってきて、人とのつながりに変化はありましたか?

A.(大吉さん) 観葉植物の仕事をしている同い年の方がいて、今年の5月に結婚式へ呼んでもらったんです。

僕は中学校から鹿児島市内の学校に通っていたので、実は地元の同級生とのつながりはそれほど多くありませんでした。でも、その結婚式で小学生以来という人たちとも久しぶりに再会できて。

「今度飲みに行こう」という話にもなって、来週も集まる予定です。指宿に戻ってきたことで、少しずつ人とのつながりが広がってきているなと感じています。

A.(鎌ヶ迫さん) 業界としても若い世代のつながりは大切にしています。

以前はJAの中に「観葉植物部会青年部」という若手の会があったのですが、人数が減って一度なくなりました。ただ、最近は若い担い手も少しずつ増えてきていて、今は2か月に1回ほど集まり、お互いのハウスを見学したり、情報交換をしたりしています。

形式ばった会ではなく、気軽に相談できる関係ができているのは、この産地の良いところだと思います。

友人の結婚式にて

自分の庭が、もう一つの研修場所

Q. 今後やってみたいこと、目標について教えてください。

A.(大吉さん) 研修期間は2年間なので、独立就農に向けて少しずつ準備を進めています。

理想は、自分で育てた観葉植物だけで、小鉢から大鉢までお店の棚を埋められるようになることです。いろいろなお客様のニーズに応えられる生産者になりたいと思っています。

そのために、今は自宅の庭づくりも進めています。植物を選びながら植えてみたり、一度整理したりしながら、少しずつ環境を整えているところです。

まだ指宿の夏を経験していないので、「この植物は夏を越せるのか」「冬はどうだろう」と分からないことも多いんです。だからこそ、自分の庭で実際に育てながら確かめています。

研修先で学びながら、自宅の庭でも試してみる。その繰り返しが、独立への準備になっているのかなと思います。

それと、今「オープンファーム」という農園を開放してイベントを開催する取り組みが広がっているのですが、自分の農園でも「オープンファーム」にチャレンジしてみたいと思っています。それがきっかけで、指宿に足を運んでくれる人が増えるような取り組みを目指していきたいです。

自宅の庭にて

緑とともに育てる、これからの暮らし

Q. 最後に、これから指宿への移住を考えている方へメッセージをお願いします。

A.(大吉さん) 植物が好きな方には、指宿は本当に面白い場所だと思います。

東京では室内でしか育てられないような植物が、指宿では屋外で元気に育つこともあります。実際に暮らしてみて、植物との距離がとても近い土地だと感じています。

観葉植物に興味がある方はもちろん、自然のある暮らしを楽しみたい方にもおすすめしたいですね。

A.(鎌ヶ迫さん) 指宿は海も緑も近く、食べ物もおいしい地域です。ほどよく田舎で、ゆったり暮らしたいという方には、とても良い環境だと思います。

移住や就農となると不安もあると思いますが、今回のような研修制度などもありますし、県や市とも相談しながら進めることができます。

一人で飛び込むというより、地域や関係機関と一緒に準備しながら進められるので、興味がある方はまず一度相談してみてほしいですね。

左から大吉さん、鎌ヶ迫さん
移住者の声トップへ
関連インタビュー
指宿市の新着記事
指宿市ってどんなところ?