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南さつま市 アーティスト 狩集広洋さん

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鹿児島県に移住した経緯(きっかけ)を教えてください

両親が南さつま市の大浦町出身で、僕自身は大阪の吹田市で育ちました。放浪しながら絵描きをしていたのですが、関東にいた頃、両親が倒れて介護することになりました。

大阪に戻って7年くらい介護をしていた間、両親がいなかに帰りたいと言ってもタイミングを逃して帰れないままでした。そして両親が亡くなったとき、墓だけでも大浦に作ろうとなり、自分たちは墓参りや夏休みの長期滞在用にと、南さつま市の空家バンクで家を探して大浦町に借りたのですが、家主さんの希望で買い取ることになりました。

ところがしばらく足を運べないまま3年ほど経つうち、家は傷んで庭はジャングル状態。「いっそのこと大浦に住んで、家を直しながらここを拠点に仕事をしていこう」と移住に踏み切りました。

移住にあたっての不安はありませんでしたか?

もともと国内外をあちこち移動するような仕事だったので、拠点が変わってもそのスタイルは変わらないですし、逆に自然のものをメインに描いている自分にとって、自然が身近にあるこの場所は好環境だと思いました。

大阪にいた頃は、自然を描きたいとなったら車を1時間走らせなければならなかった。子どもも自然や生き物が大好きなので、こっちに来てからパワー全開ですごく面白い。勉強よりも自分の好奇心が勝つから、よく外に出て魚を獲ったり虫を捕まえたり、石を割ったりしています。また先祖代々大浦から離れていないというのも珍しいし、そんな自分たちのルーツを子どもたちや子孫にも伝えていけたらと思いました。

狩集さんのルーツ、亀ヶ岡から大浦町を望む

移り住んでの感想、まちの印象、魅力は?

自然が凄い。奇跡的なほど手つかずの自然が残っている。僕が育った大阪の吹田市も1970年の大阪万博までは山もあったし山の中には池があったりすごい自然があったんですが、あっという間に都会化してしまった。

こっち(南さつま市)の自然は、移住した当時はとにかく凄くて、ぐっと迫って来る感じでした。道路も昔はこんなに舗装されていなかったから、ここまで来るのが大変なイメージだったけど、今はだいぶ整備されて、鹿児島市内へも車で1時間程度で行ける。

加世田(南さつま市の中心地)にはホームセンターもあったりするから、不便はほとんど感じません。あと鹿児島の人はシャイ。人懐っこいという感じはない印象ですが、仲間になるとすっごく優しい。情が厚くて優しい人が凄く多いなと思います。

薩摩半島の南西端に位置する南さつま市。美しくも力強い自然の景色が日常にある

地元に溶け込むコツは?

無理に溶け込まんようにすること。無理が出ると結局自分のストレスになって結果的に長続きしなくなるので、溶け込もうと頑張らず自然のままでいいと思います。ゴミを出す日とか分からないことがあったら聞く。

自治会の活動があれば会話する機会もできるし、何か手伝いを頼まれたら引き受けるとか、自然の流れでいい。無理せず、自分に自信を持って、自分が納得して生活していればいいと思います。どんな仕事をしていても、ちゃんと生活しているというのが周りに見えたら、みんな安心するんじゃないですかね。

狩集さんの両親の故郷・南さつま市大浦町久保集落にある「books&caféそらまど」にて。オーナーの窪壮一朗さんとは移住した年にコラボイベントを開催。となりまちにある笠沙美術館で窪さんが主催した「海の見える美術館で珈琲を飲む会 Vol.6」で狩集さんは4日間にわたりライブドローイングを披露した

お気に入りの場所や風景はありますか?

まずは亀ヶ丘。大阪の友達など知人が来たら連れて行きます。車で10分程度で行ける場所に、人工物のない絶景が広がっています。従兄弟が以前集落の行事で登っていたと言う磯間岳も凄い。従兄弟は慣れてるから「大したことないよ」と言うんですが、滑落者が出てヘリコプターで救助される人がいるくらい険しいです。

また、家の近くの堤防や地磯で釣りをよくするんですが、大阪にいた頃は、こんな環境の場所に行くのに3、4時間車で走らないとだめで、行っても人が多くて全然釣れないんです。自分で言うのも何ですが、海が近くてすぐに釣りができるので釣りがうまくなりました。

亀ヶ丘からの景色

現在のお仕事とこれからの目標(夢)を教えてください

これまでと変わらず、依頼があれば国内外どこへでも行って絵を描いています。どこの団体にも所属していないので自分では野良芸術家と言ってるんですけど、自分のスタイルで納得のいく仕事ができる環境ならどこへでも行って、そこで知り合った人と一緒に仕事をしたり、今は海外へはなかなか行けないですがネットで依頼を受けて描いたりしています。鹿児島でも飲食店や福祉施設、工場や企業などで壁画を描かせてもらったり、イベントでライブドローイングをしたりしています。

狩集さんの作品は、下描きのないまっさらな状態から一発描きしていくライブドローイングというスタイル。これまで国内外のあちこちで描いてきた。鹿児島でも飲食店や福祉施設、工場など様々な場所から依頼を受け壁画などを描いている

鹿児島や地元に望むことは?

自然を残すというよりも、元の姿に戻るという方向になってほしい。僕が生まれてから自然は無くなっていくばっかりで、世間ではポジティブに生きようという言葉をよく聞くけど、実際自然は逆にネガティブになっていってる。生きているうちに一度でいいから自然が回復する様子を見てみたい。

できれば大浦とかこの南薩地方だけでも、今まで減ってきていた貝が増えてきたとか、魚がどんどん増えてきたとか、もっと自然のものが増えてくるようなまちができたらいいなと思っています。それがあれば自然が好きな人や、そういう場所で子育てしたいという人が増えて、まちも明るくなっていくと思う。

取材後に狩集さんが即興で描いてくれた山と海の風景

移住を考えている⼈へメッセージをお願いします。

まず目的が何かというのが決まっていなかったら、田舎に暮らしても都会に暮らしても一緒だと思う。目的が明確に分かる人というのは、周りの人たちも協力してくれるだろうし、この人はこんな人というのが分かるから安心してくれるだろうし、そこが一番大事なところ。

とりあえず移住してみよう、試してみようということも大事だけど、やっぱり来る限りはある程度何をするか、自分が何をどこまでできるかということにチャレンジしてほしい。そうすると周りにもいいつながりができて、まちも活性化するんじゃないかなと思います。

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